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近年急成長を遂げているVC(ベンチャーキャピタル)の業界動向~前編

出典: pixaboy

今回は、近年急成長を続けるVC(ベンチャーキャピタル)が注目している業界/業種についてです。

前編/後編で構成しており、今回は「ビジネスとしてのまず投資先や投資方法って、どんなものがあるのか?」という観点から、「ベンチャーキャピタルの動向」という部分まで紹介していこうと思います。

 

 

1.投資ビジネスの概要

投資ビジネスは大きく、以下に分けられます。
 A.プライベートエクイティ(未上場株式)投資
 B.上場株式投資
 C.REIT(不動産投資)
 D.その他

 A. プライベートエクイティ(未上場株式)投資

プライベートエクイティは、東証に上場していない企業の株のことです。

未上場株式のため、配当・株主優待などは存在しません。
ではなぜ、ここに投資をするのでしょうか?

プライベートエクイティに投資するメリットとしては、上場やM&Aをした際に保有していた株式を売却することで、多額の売却益を得ることが出来る点にあります。

そのため、VCなどは、投資をするだけにとどまらず、企業の経営支援を行っています。

詳しい情報は、「2」で述べていきますので、ご確認下さい。

 B.上場株式投資

こちらは、一般的な株式投資です。

東証に上場している企業の株式を購入し、株式を保有している間は、株式優待を受けたり、配当を受け取る。

そして、時期をみて株式を売却し、購入時の価格と売却時の価格でキャピタルゲイン(資金回収)を得るといった仕組みです。

 C.REIT(不動産)投資

近年少し話題になっていたREITという不動産投資ビジネスです。

聞いたことはあるが、あまり詳しく知らない、という方も多いのではないでしょうか。

REIT投資では、高層マンションなど、不動産施設の建設に対して投資を行い、そこで得られる家賃収入の一部を、株式の配当のように受け取る仕組みになります。

株式と違い、価格の変動が少ないため、大きな損失を受けることは少ない一方で、キャピタルゲインを得ることが出来ない、といった側面もあるので、どちらの方がより良い投資先なのか、というのは投資家の状況によって異なります。

 D.その他

ここに含まれるものとしては、多数ありますが、一例としては、太陽光発電や風力発電など、再生可能エネルギー施設の建設に投資し、建設後に稼働した場合の売電収入の一部を享受する、といった仕組みの投資ビジネスがあります。

その他、ビジネスとしてではなく、資金運用としての債券や為替なども存在します。

投資先の種類としては、このように数多く存在しています。

次に、投資を行う人に関しては、個人投資家、機関投資家(銀行や生保・損保などの運用担当者など)、VCなどが主になります。

その中で、VCだけが、唯一投資後の経営支援を行っています。

今回は、この投資のプロフェッショナルであるVCについて、詳しく見ていこうと思います。

 

2.VC(ベンチャーキャピタル)とは

VCは、未上場株式に特化して投資活動を行っている企業です。

未上場株式への投資にはいくつか種類が存在します。(下図)

出典:株式会社ジャフコHP

これらは、投資先企業の成長ステージに応じて、分類されています。

成長ステージによって支援する内容が異なってくるため、このような分け方をしているのが一般的です。

出典:株式会社JAFCOHP

Ⅰ.シード&スタートアップStage

 ⇒インキュベーション投資

ここでは、技術開発やシステム開発などの開発活動の成果を実際にビジネス化していこうというフェーズになります。

具体的にどのような顧客にニーズがあり、事業化を成功させられそうか、などを分析したりする段階です。

Ⅱ,Ⅲ.アーリーStage、ミドルStage

 ⇒ベンチャー投資

ここが、ベンチャー投資として一般的に想像しやすいフェーズです。

事業を展開して、軌道に乗れるかどうかの段階(アーリーStage)から、起動に乗ってきて今後どのように収益を伸ばしていくかを考える段階(ミドルStage)

ここでは、一般的なビジネスコンサルティングのような支援を行っています。

Ⅳ.レーターStage

 ⇒バイアウト投資、再生投資

事業の収益がある程度確保できた段階において、

 ・1事業部を企業として切り離すなどのバイアウト投資

 ・経営不振に陥った企業の再生活動に向けて行う、再生投資

を行っています。

具体的な投資活動は、VCが単独で行うのではなく、ファンドという形で投資が行われます。

ファンドが、金融機関や機関投資家、VCなどからの出資を受け、投資先に投資を行っています。

その上で、VCが企業支援を行っています。

出典:株式会社JAFCOHP

ここまで、VCがどのような活動を行っているかを話しました。

ここからは、このような投資プロフェッショナル集団が、近年どのような業界/業種に投資活動を行っているのかをみていくことで、投資のプロが考える、今後勢いをつけてくるであろう業界として注目しているのがどこなのかを探っていこうと思います!

 

3.ベンチャーキャピタルの近年投資動向

VCの動向として、まず投資の総額を見ていきます。

出典:(一社)ベンチャーエンタープライズセンター「直近四半期投資動向調査」

四半期別に投資実績が出ており、各年度において、2,3Qは投資が落ち込み、1,4Qは投資が多いという特徴があるので、各年度の四半期で比較してグラフを見てみます!

すると、大幅に増加、微増など程度の差はあるが、ほぼ全ての四半期で投資額は増加している傾向があることがわかります。

VCは世の中に価値を提供していけそうな企業に対し、投資を行い、最終的にキャピタルゲインを狙っているため、投資額が増加しているということは、

 ・世の中に価値を出せそうな見込み企業が増えてきている

 ・ベンチャー企業の数自体が増加しており、見込み企業の判別が難しくなってきている

などの傾向があるのではないかと推察できますね。

ここで気になることがあります。

国内投資は増えてきているが、海外と比較してどうなのか

という点です。

日本は、2018年の年間で1,361億円であるのに対して、アメリカが国内向けに投資している総額は、年間およそ1,000億ドル(約11兆円)にも上ります。

8倍もの差が発生しています……

こういった背景もあり、近年、次世代を担うユニコーン企業の輩出が日本から起きていないのではないかと考えられますね。

日本から次世代のユニコーン企業を輩出するためには、資金調達の側面で、投資額を増額していくことが必要なのではないでしょうか。

では、日本のVCは国内/国外のどちらの企業に目を向けているのか?

2018年4Qまでは若干国内の方が多い程度であったのに対し、2019年1Q(1~3月)においては、約84%で国内へ投資していることがわかった。

国内への投資が増えていることは意外だが、これは米中の貿易摩擦など、国際経済の不透明性により生じているものであると推察される。

出典:(一社)ベンチャーエンタープライズセンター「直近四半期投資動向調査」

続いて、国内の中で見た場合、VCはいまどういった業界に成長性を感じ、投資を行っているのでしょうか?

直近の投資活動で多い業種は、
・コンピュータ及び関連機器、ITサービス
・ソフトウェア
・バイオ、製薬

などが挙げられます。

これらのうち、IT系とバイオ系の2つに分けて、次回後編で考察していきたいと思います。

 

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ishige

高校卒業まで日本で育ち、アメリカの4年生大学(カリフォルニア大学)に進学。社会学を専攻し、集団的知性を学ぶ。 2018年夏に帰国後、①市場価値の高い人材、②グローバル人材なれる環境、という軸で就職活動を開始し、ステラアソシエの2019年新卒に内定。 2019年4月から、再生医療やグローバルスポーツビジネスなどの海外案件を担当。語学力を活かし、海外企業との交渉や、リサーチに奮闘中。その他国内プロジェクトでも、MaaSやサイバーセキュリティの案件にも従事。