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近年急成長を遂げているVC(ベンチャーキャピタル)の業界動向~後編

 

出典: pixaboy

今回の記事は、前回の「投資ビジネスでみる国内経済の状況と展望 ~ベンチャーキャピタル(VC)の業界業種別レポート~前編」に引き続き後編として、近年のVCの投資動向についてまとめたものになるので是非ご覧ください。

 

 

.「コンピュータ及び関連機器、ITサービス」・「ソフトウェア」に投資している理由

出典:株式会社ジャフコ_HP

上図は、株式会社ジャフコの「クラウド・ソフトウェア」領域への公開投資先です。

このうち、昨年にジャフコが投資を行った企業を2社ご紹介します。
・株式会社Zeals
・Holmes

の2社です!

【株式会社Zeals】

ジャフコ初回投資:2018年1月

投資額:4.2億円

事業概要は、チャットボットによる会話型広告の提供とHPに記載されています。

(参考URL:http://zeals.co.jp/

会話広告とは、チャット上でユーザー様に商品やサービスを“会話”を通じて紹介し、購入や登録ができる新たな広告手法です。

「チャットボット」とも言われています。

TwitterやSlackなどでも導入されている機能になります。

株式会社Zealsの会話型広告は、「famp(ファンプ)」というサービス名で事業展開をしています。

会話型広告という概念を生み出したパイオニアでもあり、業界で国内1位の実績を誇っています。

fampは、現在様々な領域の企業と連携を図っています。
・LINEと連携してチャットボット広告をトーク上に送信
・ビズリーチと連携して、就活支援に活用
・クレカ決済に対応

などが挙げられます。

広告からのCVR(コンバージョンレート=遷移率)が格段に高くなる(通常と比較して7倍との結果が出ている)ため、注目を集めているようです。

ジャフコのみならず、Forbes Japan、株式会社サイバーエージェントからも投資を受けているため、かなり注目度が高いと予想されます。

【株式会社Holmes】

ジャフコ初回投資:2018年10月

投資額:5.2億円

事業概要は、契約書に特化したデジタルプラットフォームとHPに記載されています。

(参考URL:https://www.holmes-cloud.com/

株式会社Holmesが提供する「Holmes」(ホームズ)は、一部上場企業から個人事業主まで、幅広いユーザーを対象に、契約書の作成から締結・管理までのワークプロセスに特化したデジタルワークスペースであり、コミュニケーション及びプロセスをデジタル化してワンストップで提供するクラウドサービスになっています。

結済みの契約書はもちろん、契約書のドラフト、 作成中のコメント、社内承認の記録、関連資料、サマリーレポート等の情報がデジタル化されクラウド上に保存されているため、契約に関連した全ての情報に簡単にアクセスすることが可能です。

株式会社Holmesのどういった点にVCが着目しているのでしょうか?

実際に公開されている情報があったので、以下引用します。

「未だ多くがアナログなままの契約書業務は、テクノロジーによる効率化・合理化が期待される領域です。弁護士をバックボーンとする笹原さん率いるHolmesの皆様は、豊富な業界への知見・経験、そして強い覚悟と思いをもってこの課題に取り組んでいると感じています。また、その同社プロダクトは真に現場で使えるように考え尽くされており、既に多くのユーザーからも評価されています。ミッションに掲げる「契約の全てを簡単に」の実現に向けて日々邁進するHolmesと、JAFCOも一緒に挑戦していきたいと強く思い今回出資に至りました。 テクノロジーでリーガル領域が抱える様々な課題を解決する、そして世界に羽ばたくリーガルテック市場を索引するキーカンパニーとして、更なる成長を期待しております。」

株式会社ジャフコ パートナー 北沢 知丈

出典:PP TIMES

以上2社への投資を考察し、やはりIT業界には、既存サービスより高効率なもので、新しいサービスをいかに生み出せるか、といった点が重要視されているようですね。

 

2.「バイオ、製薬」に投資している理由

出典:株式会社ジャフコHP

上図は、株式会社ジャフコの「ライフサイエンス」領域への公開投資先です。

このうち、2018年以降に投資された企業を2社ご紹介します。
・Chordia Therapeutics株式会社
・TNAX Biopharma株式会社

の2社です!

【Chordia Therapeutics株式会社】

ジャフコ初回投資:2019年3月

投資額:30億円

事業概要は、新規抗がん剤の研究開発と記載されています。

当社はガン領域に特化した研究開発型バイオベンチャーであり、主に新規抗がん剤開発に力を入れて研究開発を行っています。

この度の資金調達により、開発した新薬の臨床試験を加速していくとの記載があり、研究費として、よりも研究成果を実証していくフェーズでの投資となった。

一方で、研究開発を進めているフェーズでは、武田薬品や三井住友銀行などが共同出資で投資を行っていたようです。

そのため、VCが見ている観点はあくまでビジネスとして、世の中に価値を出せそうかという点であり、新薬が開発されてから、投資を行う可能性が示唆されます。

【TNAX Biopharma株式会社】

ジャフコ初回投資:2018年6月

投資額:合計5億円

事業概要は、免疫受容体を標的とした医薬品の開発と記載されています。

TNAX Biopharma株式会社は、筑波大学発ベンチャーとして承認されたり、元ジャフコ社員で国内未上場バイオベンチャーへの投資を担当していた社員が在籍している。

先程の企業とは違い、こちらは2018年3月に設立し、同年6月に投資を受けているため、研究開発段階から投資を受けていることとなる。

これに関しては、大学発ベンチャーの承認を受けているため、ある一定、研究開発の質の担保になっており、資金回収の見込みが高いから、シードフェーズから投資を行ったのではないかと推察される。

この業界は、人命に直結するため、いかに開発能力が高いか、開発した商品が病院に、消費者に受容されるのかを考えて投資先を選定しているのではないでしょうか。

 

3.近年投資額が増えてきている業界

ここまでは、現状において投資額が多い業界について述べてきましたが、いま投資が多いということは、既に成長が始まっている業界になります。

今回は最後に、直近で投資額が増えてきている業界、すなわち、今後成長していく可能性が高いと予想されている業界について見ていきましょう。

近年投資額が増えた業界は、「メディア、娯楽、小売、消費財」 です。

出典:株式会社ジャフコHP

上図は、株式会社ジャフコの「ソーシャルインターネット/コンシューマーインターネット」領域の公開投資先企業です。

この業界は、人の暮らしに直結した物やサービスを扱う業界です。

働き方改革などの影響により、人生におけるプライベートな時間が増えてきている現代において、いかにそこに高付加価値なサービスや商品を提供できるのかが重要視されていますね。

また、若者のTV離れがささやかれているため、テレビ業界やマスコミ業界など、各種メディアがどのような動きを見せるのか、ネットTVなどが台頭してきている業界なため、今後この業界を担っていくリーディングカンパニーがいつ誕生するのか、そんな期待でワクワクするような業界ですね!

・働き方改革によるプライベートの創出が夢物語ではなくなった

・TV離れがリアルな状況として認識し始めた

これらの背景により、今のタイミングで、くらしの在り方に関する問いについて考えだしている企業が増加してきていることが、投資額増加の背景にあるのではないかと、私自身は考えています。

 

最後に、下図が株式会社ジャフコの「消費者製品&サービス」領域の公開投資先企業です。

これまで知らなかったような事業を展開している企業を見つけることが出来ると思うので、お時間があれば、是非一度何社か調べてみてください!

出典:株式会社ジャフコHP

いかがでしたでしょうか?

今回は、国内に特化して、VCの動向についてまとめました。

読者の皆さんにとって、少しでも参考になる情報を提供できていれば、幸いです。

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ishige

高校卒業まで日本で育ち、アメリカの4年生大学(カリフォルニア大学)に進学。社会学を専攻し、集団的知性を学ぶ。 2018年夏に帰国後、①市場価値の高い人材、②グローバル人材なれる環境、という軸で就職活動を開始し、ステラアソシエの2019年新卒に内定。 2019年4月から、再生医療やグローバルスポーツビジネスなどの海外案件を担当。語学力を活かし、海外企業との交渉や、リサーチに奮闘中。その他国内プロジェクトでも、MaaSやサイバーセキュリティの案件にも従事。