取材記事 | 日本放送協会(NHK)

新規事業コンサルティングのステラアソシエ トップ > 導入事例 > 導入事例紹介 | NHK

No.1広告に関するNHKの取材を記事化。「No.1調査は70点の商品を100点にすることではない」と語った真意とは?

【写真左から】
日本放送協会(NHK) 報道局 取材センター 科学・文化部 島田尚朗氏
ステラアソシエ株式会社 代表取締役社長 保木佑介
(以下、敬称略)

2022年5月17日、NHK『クローズアップ現代』においてNo.1広告やNo.1調査をテーマとした番組が放送されました。No1調査のテレビ番組は初だったので、反響も大きかったです。

本件について番組の放送に併せてブログ記事公開していましたが、番組では時間の都合もありNHKさんに事前取材いただいた内容も含めてお伝えできていないことが多く残っています。

そこで今回は、NHKの島田記者(以下、島田)にインタビューいただいた内容を記事化し、No.1広告が孕んでいる問題点や広告主となる企業がNo.1調査を広告に活用する際に留意すべき事項をお伝えします。

目次
・No.1調査は正しい情報発信のための保険商品
No.1調査には”適切な調査設計”が欠かせない
・No.1広告が抱える様々な問題
・不正なNo.1調査を行う会社に依頼しないリテラシーが必要
・不審なNo.1広告はむしろブランド価値を下げる 

 No.1調査は正しい情報発信のための保険商品

島田:

まずはNo.1調査、No.1広告とは何なのか教えてください。

保木:

No.1広告は「分かりづらい凄い技術を一瞬で理解させるもの」と捉えています。例えば、スマホの画面の明るさが2000nit(シャープ様の支援事例)と言われてもピンと来る人はいないですが、”スマホ史上No.1の明るさ” と言われれば「画面が明るくて視認性がいいんだ」と誰でも分かりますよね。

ストレートに伝えるとよくわからないものを、No1と表現することで商品の特徴を簡単に伝えることができます。その証明をするのがNo.1調査ということになります。

島田:

そのNo.1調査に取り組み始めた背景についてお聞かせください。

保木:

ステラアソシエはもともと大企業向けの新規事業コンサルティング会社なのですが、支援の一環として競合企業調査をよく行っています。

この競合調査を進める中で、「No.1訴求や日本初、世界初といった訴求を行えないか検討しており調査出来ないか?」と要望をいただくようになりました。No1を証明すること自体に需要があることが分かったので、2年前から新サービスとして『ファーストテックサーチ』を提供し始めました。

島田:

『ファーストテックサーチ』へのお問い合わせは年間どのくらいの相談があるのでしょうか?

保木:

年間で約50件ほどで、過去と比較して大きく増加しています。

相談いただく企業様は大企業が70%、それ以外の企業様が30%なのに加えて、BtoC向けの商材が調査テーマになることが多いです。

島田:

なるほど。お問い合わせいただく企業様に特徴はありますか?

保木:

傾向としては、大企業様の場合は情報発信に対する責任や世間からの目が厳しくなることに加え、社内の法務部といった別部署からリスク回避の目的で確認が入ることが多いこともあり、相談いただくケースが多いです。

また、中小企業様の場合は、消費者に正しい情報発信をしたいと真面目に努力されていらっしゃる会社さんなことがほとんどですね。

いずれにせよ、お問い合わせいただける企業様のほとんどは「自社が本当に一番かどうか、日本初や世界初であるか不安」を感じて相談いただくことが多く、保険としての意味合いが強いですね。

 No.1調査には”適切な調査設計”が欠かせない

島田:

具体的にNo.1調査はどのように進めるのでしょうか?

保木:

No.1調査は、特定の指標において消費者または競合について調査し、製品やサービスが市場の中で1番であることを証明する市場調査のことを指しますが、大きく分けるとイメージ調査のような定性的なものと「日本初」や「世界初」などの元祖表記を扱う定量的なものの2つが存在します。

No1調査の種類

『ファーストテックサーチ』の場合は、定性的なイメージ調査ではなく元祖表記のような定量的な市場調査を専門に行っており、依頼主様からどんなキャッチコピーでNo.1を表記されたいか決めて頂いてから、それが証明できうる調査要件を提案しています。

調査方法はインターネットを利用した調査が多いですが、場合によっては企業に問い合わせすることもあります。また、2000年以前などインターネットが今より普及していない時代の調査を行う場合、過去の発刊物を国立図書館で調べたりすることもあります。

調査の方針として、調査結果の公平さを担保しやすい誰でもアクセスできる情報からアプローチを行い、そこからアクセスしにくい情報も加味しており、どうしても情報がない場合は、情報がないものとして扱っています。

島田:

1度のNo.1調査でどのくらいの対象数を調べていますか?

保木:

どのくらい調査を行うべきかは、対象となる商材や調査条件次第です。先述したシャープ様の『AQUOS R6』に関するNo.1調査の調査項目はスマホの画面の明るさでした。

調査設計では、画面の明るさを調査するのにこれまでに出たスマートフォン全てを対象とする必要はないと考えました。10年前のスマホよりも直近に発売されたスマホの方が画面が明るくなっているのは自明の理ですよね。

直近2年以内にリリースされた機種を対象とすれば問題なく調査を行えますし、各メーカーのハイエンドモデルが輝度が最も高い機種であり、直近2年以内にリリースされた各メーカーのハイエンドモデルを対象にすれば調査要件を満たせます。

このように商材やサービスによって調査対象は変動しますが、過去の案件ではおおよそ数十件〜数百件ほどでしたね。

調査数が多いほど信頼性は増しますが、must have ではなく nice to have の範囲まで含めると調査コストが膨大になります。依頼主様のご予算の範囲で最大の効果が出るよう、商材と当該市場の特性を踏まえて調査設計をしています。

 ・No.1広告が抱える様々な問題

島田:

少し切り込んだ話をしたいのですが、「No.1を保証してくれ」といった相談もあるのでしょうか?

保木:

過去にいただいたお問い合わせの中で、そのような相談はいくつかありました。例えば、「イメージ調査を依頼したい」というお問い合わせは定期的にいただきますが、「返金保証はあるのか?」と質問されることも少なくありません。返金保証とは、調査した結果No2以下だった場合、費用を支払わないということですね。

島田:

やはり、そのような相談はあるんですね。

保木:

そうですね。ちなみにですが、これまで一貫して「返金保証は対応していない」と回答してきているのですが、対応していないことをお伝えするとすべて案件相談がなかったことになりました。笑

島田:

保木さんが一貫して返金を保証してこなかったのには、どのような理由があるのでしょうか?

保木:

そもそもの前提として、その商品やサービスがNo.1や日本初/世界発であるかはその企業が努力することで得られる結果であって、調査会社が作り出すものではありません。No.1調査は70点の商品を100点に仕立て上げることではないと考えています。

島田:

たしかに、サービスの品質以上の評価を調査会社が生み出してしまう違和感があります。

保木:

フェアな調査を行えば依頼主様の商品やサービスがNo.1ではないこともあり得ますよね。でも、依頼主様の商品がNo.1になるように努力するのは依頼主様自身のはずです。

調査会社としてできることは、消費者を騙すことにならない範囲でNo.1が証明できる調査設計を考案することです。

島田:

やはり、恣意的な調査をもとにしたNo.1広告は多いのでしょうか?

保木:

これは個人的な見解ですが、広告主の企業規模が大きくないほど調査元や調査方法が不明であったり、自社調べと表記している場合が多い印象があります。

ちなみに、No.1調査には複数の調査方法があり、たとえば満足度調査やイメージ調査はネット上でのモニター調査を通じて簡単に実施可能なので利用されるケースが多い一方で、唯一性を担保するような調査は相対的に難しく、専門的な技術への理解やキャッチアップが求められるので難易度が上がります。

なので、満足度調査やイメージ調査などモニターやパネラー調査を行うことが一般的に多いのですが、これらの手法では調査結果を意図的にコントロールしているような場合も見受けられます。

島田:

意図的にコントロールとはどういうことなのでしょうか?

保木:

例えば、モニターに登録している人たちは、しっかり考えてアンケートに回答しているわけでなく、気軽に選択肢をポチポチ選んで答えていることが多いです。

なので、想定している回答が得られるように質問項目や選択肢を設計することで、気軽にポチポチ回答している人たちの回答を誘導したりすることも実態として可能となってしまっています。

島田:

なるほど。モニターの方々がそこまで意識せずに回答しているものをNo.1広告に利用したりもしているのですね。

保木:

そうです。また、サイトイメージ調査も問題となっています。これはモニターに「このホームページは良いと思いますか?」などといったサービスとは直接関係のない質問を投げて、その回答結果を活用したものです。

実例として、このNo.1広告の画像を見ていただきたいのですが、このサービス自体の評価が高いという見せ方をしていますが、注釈で小さく「サイト比較イメージ調査」と書いてありますよね。下部にある注釈はほとんど読まれることはありませんし、これは意図的な誤認を狙ったNo.1広告のよくある手法です。

島田:

たしかに私も注釈をそんなに見ることはないですし、これは勘違いしてしまいますね。。

保木:

ちなみにもっと悪質なサイトイメージ調査もあって、「良いと思う」が70%を超えたのでNo.1を謳うみたいなケースも少なくありません。

島田:

そんなことが。。それって問題ないんですか?

保木:

当然このようなNo.1広告は問題であり、企業はこのようなNo.1広告が自社ブランドの毀損につながることを認識すべきです。

他にも、そもそも回答者がサービスを使ったことがないこともあれば、自社にとって都合の良い回答をする傾向が高い層だけをターゲットに調査を行うみたいなパターンも存在しますし、データが同じでも恣意的な切り取り方によって印象操作されている場合などもあったりするのが今の業界の実態です。

 不正なNo.1調査を行う会社に依頼しないリテラシーが必要

島田:

先ほどご紹介いただいたような恣意的なNo.1調査や優良誤認を引き起こすNo.1広告はなぜなくならないのでしょうか?

保木:

一つは、不正なNo.1広告が問題化しにくかったことが挙げられます。

例えば、適切ではないNo.1広告のエステサロンを利用した際に、サービス自体が提供されていれば他のサロンと比較してクレームを入れる消費者はほとんどいません。

つまり、期待される効果と実際のサービスの間で大きなギャップがなければ問題になりにくいというのが実情ですし、誰もが知っているような企業や商品でないとそこまで注目もされません。

島田:

なるほど。ただ、それ以外にも問題はありそうですね。

保木:

加えて、やはりNo.1広告の販促面での効果は大きいです。公正取引委員会が出しているデータでは、約80%がNo.1広告に対してポジティブな印象を受けているという報告もあり、イメージ調査のような意味のない根拠をもとにした表記をする企業が後を絶ちません。

他にも、無理やりNo.1をとる調査会社があることも問題視されています。

 

島田:

たしか、業界団体も問題視されていますよね?

保木:

はい、2022年1月には日本マーケティング・リサーチ協会が『非公正な「No.1 調査」への抗議状』を公開したことで話題となりました

No.1を取得できなければ全額返金というあり得ない規定を設けている調査会社もあり、そのような不正を行う企業に発注してしまわないようなリテラシーを身につけることも企業には求められています。

島田:

なるほど。企業が消費者に対して出来ることは何かあるのでしょうか?

保木:

例えば、企業が広告主として広告にNo.1表示をする場合、調査の注釈を適切につけることは大事だと考えています。

もちろん、根拠となるデータを掲載するのが理想なのかもしれませんが、ほとんどの消費者は細かいデータまでは気にしていませんし、お問い合わせをいただいた場合に根拠となるデータを提示できる準備が出来ていれば大きな問題にはなりません。

このような背景から、ステラアソシエの『ファーストテックサーチ』は、根拠となるデータ提示のフォローまで行っています。

 不審なNo.1広告はむしろブランド価値を下げる

島田:

消費者がNo.1広告に対して不信感を持つことも増えてきていますよね?

保木:

たしかにNo.1広告に対して不信感を持つ消費者は増えているとは感じます。

実態として「顧客満足度No.1」「モデルが使いたいと思う商品No.1」等のイメージ調査をもとにしたNo.1l広告を活用している商材で適切な調査をしているものは肌感覚で全体の1割程度です。

島田:

そんなに少ないんですね。。そこまで少ないと、信用するのはなかなか難しいです。

保木:

ただ、規制や世間の注目が集まることも踏まえると、ちゃんとした調査を行うべき人たちが然るべき調査会社に依頼する流れが生まれることで、適切ではない調査による表記が淘汰されることで、消費者からの信頼を取り戻すことを業界全体として取り組んでいかなけれなと考えています。

また、No.1調査の効果は売上への寄与だけではありません。

島田:

その話、気になります。

保木:

具体的な例を挙げると、これはビジョン様の事例なのですが、調査結果をもとに自社でしか謳えないセールスコピーを作成できるようになったり、社内の共通言語としてスムーズな社内コミュニケーションにつながったというお声をいただいています。

シャープ様では、販売店への営業(代理店営業)をする方が商品のウリを説明しやすくなりました。スマホはコモディティ化がされており、差別化が難しいため「業界初のスマホ」と伝えられると販売店の反応が違うわけです。

また、自分たちのサービスが日本初だったりNo.1であることは、サービスに関わっている社員の方々のモチベーションにつながるというお声も多いです。特に開発に携わった技術者は「自分がNo1の商品を作った」という自信に繋がるのはポジティブな効果ですよね。

島田:

もしかしたら、売上以上の価値が適切なNo.1調査にはあるのかもしれませんね。

保木:
副次的な効果が複数あります。

一方、結果がNo1ではなかった場合に調査が無駄だったのかというと、全くそうではないと言えます。大前提として広告は正しい使い方をしないと、多大な予算を投下していながらマイナスに働くこともある諸刃の剣です。特にSNSが発達し、違和感のある広告を一般ユーザーが発見し、それが拡散され炎上するという流れができてしまいました。

仮に適切な調査を行わずにNo1広告をエイヤで出したとして、競合企業やユーザーから「この広告はおかしい」と指摘されたらどうなるでしょうか。
当然、企業イメージが低下しユーザーは離れてしまいますよね。このようなリスクを取り除き、ブランドイメージを守ることがNo1調査の存在意義です。もちろん、調査の結果No1を謳えるのがベストですが、もっと重要なのは広告を正しく利用する手助けをすることです。

実際に、エステサロンPMKに対する消費者庁からの景品表示法 措置命令では、最終的に措置命令を受けたのは委託先の調査会社ではなく、その結果を利用した広告主であるPMK社でした。この件はどういうパワーバランスで起きたのかは当事者しか分かりませんが、少なくとも調査依頼を受けた企業は依頼主が広告を正しく利用する手助けができてないですよね。No1広告を出すことが目的になっているわけです。

そのため、No.1調査などを行う調査会社が適切な調査のみを取り扱うようになることも大事ですが、まずは各企業がリテラシーを高めることで、適切なNo.1調査を依頼し、自社のブランディングに寄与するNo.1広告を行えるようになることが重要だと考えています。

島田:

たしかに、企業が「不正なNo.1広告は自社ブランドを毀損する」という認識をちゃんと持つことが最初の一歩なのかもしれませんね。

保木さん、本日はインタビューを実施させていただき、ありがとうございました。

   この事例に関連するサービス

お客様の新技術・新商品が「売上/シェアNo.1」「日本初/世界初」であることを証明します。

他社様の事例についても記事として掲載しておりますので、是非ともご覧ください。

日立システムズ様

大手SIer

クラウドビジネス

電子機器製造

スマートフォン市場

電子機器製造

PC市場

・技術の用途仮説立案から

・キーマンに対する顧客インタビューや

・オンラインで新規顧客を獲得してほしい

デジタルマーケティング

・製品技術の世界初/No1を証明してほしい

ファーストテックサーチ

PoC先開拓まで一気通貫で行ってほしい

新規事業コンサルティング

営業提案によって、事業推進をしてほしい

キーマンアクセス

トップに戻る