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1.Meet up開催の背景
9月末、ステラアソシエ主催の第3回オープンイノベーションMeet Upを開催しました。
このイベントは、様々な業界の大手企業で研究開発や新規事業担当者が集まり、今後メガトレンドとなる市場における新規事業の企画をするワークショップを通じて、新規事業開発手法の習得やネットワーキングを目的としています。
ご好評につき、第3回目の開催ということで、弊社としても大変うれしい限りです。
今回は、国が推し進めているメガトレンド「Society5.0」の防災をテーマとして、デザイン思考を用いた新規事業企画ワークショップを実施しました!
今回はSociety5.0の中で、避難経路誘導サービスや、センサーによる早期検知、ドローンによる救援物資の最適配送などIT企業のみならず、物資配送におけるB to C企業など多種多様な企業様の参入余地が検討できる分野であるため防災分野というテーマになりました。
本ワークショップは、大手製造業の新規事業担当者様8名並びに、学生の方に2名参加いただきました。
■参加企業様(敬称略)
- 株式会社日立システムズ(SIer)
- コニカミノルタQOLソリューションズ株式会社(電気機器メーカー)
- 栗田工業株式会社 (水処理装置/水処理薬品メーカー)
- YKK株式会社 (非鉄金属メーカー)
- キリンビバレッジ株式会社 (飲食メーカー)
- 株式会社フジクラ (非鉄金属メーカー)
- 立教大学、神戸外大/2名
第2回目までは企業の担当者様のみだったのですが、ブレストは学生も加えることでより新鮮なアイデアが出るのでは、今回から加わりました!
そして会場は、コニカミノルタ様のご厚意により、WeWork新橋で開催させていただきました!ありがとうございます!(コニカミノルタ様は日本を代表する大企業ですが、スタートアップとの関りを作って新規事業創造を促進するためにweworkを利用されているそうです。)
ご存知の方も多いと思いますが、WeWorkはスタートアップを中心に利用されているコワーキングスペースです。
ビール等も無料で提供しており、懇親会もこちらで実施しました。

2.当日実施した活動内容

今回はSociety5.0の防災分野ということで、初めて来てくださった参加者の方、また防災分野に関して専門領域外という方も多くいらっしゃいました。
冒頭では、「Society5.0とは何か?」「 その中の防災とは?:という観点で、基礎知識や国が思い描くビジョンに関して説明しました。
Society5.0は、IoTやAIなどの新たな技術を活かして、フィジカル空間から大量のデータをサイバー空間に蓄積し、解析することで、新たな価値提供を行う社会です。
これらIoT,AI等の最新技術を駆使して、より豊かで生産的な社会を作り上げていこうという国全体の取り組みになります。
その後、Socity5.0 防災に関しての説明を行いました。
Socity5.0の防災は、「最新テクノロジーを活用し、災害を最小限に抑え早期復興を実現する社会」というように定義されます。

参考:内閣府「Society 5.0 新たな価値の事例 (防災) 」
今までは災害の事後に、救援や物資を被災地に送り届けるという措置を基本的にとっていました。
Society5.0の防災においては、避難経路誘導サービスや、センサーによる早期検知、ドローンによる救援物資の最適配送など、テクノロジーを駆使して、災害発生時や事後の対応を円滑に行い、被災者の被害を最小限に留める試みになります。
このような社会が実現されると、IT企業だけでなく、物資配送におけるB toC企業にも参入可能性があることがイメージできると思います。
そして、参加者の方々が、Society5.0防災の全体像や自社がどういった形で関われるかイメージが沸いたところで、デザイン思考ワークショップを行いました!
今回のゴールは、各社の技術を活かして、Socity5.0防災でのサービスを企画することです。2チームに分かれて新規事業サービスを出していただきました。
本デザイン思考ワークショップのアイデア出しは、2段階のプロセスで構成されています。各項目毎に、以下の考え方でアイデアを出して貰いました。

アイデアの発散を行う際は、全く無の状態から行うのではなく、防災領域において「自分や家族が被災にあったときにどんな困りごと(ニーズ)があったか」または、「ニュース等の被災地の映像からどのような困りごとが想定できるか」という観点でアイデアを出していきました。
短い時間でのブレストでしたが、各チームとも30~50個のアイデアが出たと思います。
※因みにこの段階では、出したサービスアイデアに対して自社のアセットが活かせるかどうかは検討しません。あくまでニーズドリブンです。
3.アイデア事例
少しだけ、今回出た面白いサービスアイデアをお見せします!
・被災者の居場所特定サービス
被災した時に被災者の居場所を特定し、直ちに救助に向かえるようにするため、衣類/体等に搭載するGPS機器を活用した救援支援サービス。
・被災者同士の物々交換サービス
Amazonや楽天のようなオンラインショッピングサイトで、それぞれの登録者が定期的にどのようなものを購入しているかをビックデータとして保管し、災害が起こった際にビックデータから被災者間で足りない生活品の物々交換を促進するサービス
このように様々なアイデアを出し切ったあと、それぞれ直観的に良いと感じたものに投票し、さらに深掘りするアイデアを選定しました。
今回は、ジョブ理論というフレームワークを用いて現状分析を行い、それを元に具体的なサービス企画の深堀りを行いました。

現状分析では、最初にブレストで出したアイデアのペルソナが誰かを特定し、彼らがどのような状況でどんな課題を抱えているか。また今はどのような手段で課題に対処し、それでも残る不満(障害)が何なのかという一連のフローを整理しました。
ここでペルソナのニーズと現状の対処法及び不満が整理できることで、想定のペルソナが現状でとらわれているバイアスが浮かび上がってきます。
そしてサービス企画では、現状分析から、ペルソナのニーズを満たし障害を改善する(バイアスを壊す)サービス案の深堀りを行っていきます。
ペルソナに対して、どのようなチャネル/収益モデルで提供するべきか、新しいの技術の活用の際に、データはどのようなものをどんな方法でとるかなどを具体的な事業案として掘り下げていきました。
そして、最後に「Society5.0における防災分野の現状のバイアスを壊す新サービス」というテーマで各グループ10分ほどで、各々出た有望アイデアを発表していていただきました!
ワーク中は「このテーマなかなか難しいね~」というお声もあったのですが、この最終発表時には、それぞれのグループが、現状分析とバイアスを踏まえたうえでの新しいサービス企画を出していたので、Society5.0の防災分野におけるニーズや、各社がどのように関わっていくかより鮮明になったのではと思います。
(最終発表の様子)


4.懇親会
そして今回も皆さんお待ちかねの懇親会を実施いたしました!
長時間集中して頭を使った後だからでしょうか、皆さんお酒が進み、各人の夢や悩みなどまじめな話から、お馬鹿な話まで夜遅くまで盛り上がりました。(無料で飲めるビールが本格的で美味しく、居酒屋がいらないぐらいでした笑)
こうやって新規事業の成功について真剣に考えている人たちが集まり、ざっくばらんに話をする中で関係を深めることができたので、非常に有意義な時間になったと思います。
こういった1つ1つの関係構築が、将来的に日本の課題を解決する異業種間のオープンイノベーション創出のきっかけになれば、開催している弊社としてもうれしい限りであります。

5.次回Meet upのお知らせ
ステラアソシエでは、今回のようにMeet Upのイベントを2か月に1回ほど開催しており、次回は11/29(金)15:00~を予定しています!
次回のテーマはSociety 5.0の7領域のうち、「食品」という分野で実施していきます!

参考:内閣府「Society 5.0 新たな価値の事例 (食品)」
業界が異なる新規事業や研究開発の方々とお会いできる良い機会と存じておりますので、ご興味がある方は、以下お問い合わせフォームよりご連絡ください!
■お問い合わせフォーム
https://stella-associa.jp/contact/
■Meet upの詳細
- 日時:11月29日(金)15:00~17:30
- 会場:BRIDGE
- 住所:東京都江東区木場1-1-1 フジクラ東京R&Dセンター7階(東京メトロ東西線 木場駅より徒歩10分)
- 参加費:無料
- 懇親会:Meet up後に希望者を対象とした懇親会を開催いたします。(※参加費3,000円/1名)