前回の記事の結論としては、コロナ時代に製造業大手の皆さんがまず最初に始めるべき、は「LPの作成とリスティング広告の運用」だというお話をしました。
そしてその理由は、「LPの作成とリスティング広告の運用」は、⑴即効性と、⑵ターゲッティングのしやすさの観点で、優れているためです。
後編では、以上の2つの観点の重要性から、まず具体的に説明していきます。
前編の記事を確認したい方はこちら
コロナ時代に製造業が行うべきデジタルマーケティング施策
また、オンラインで新規顧客を獲得するための方法を以下のチェックリストにまとめています。
ぜひ、ご活用ください。
<目次>
②では、製造業がデジタルマーケティングで新規顧客を獲得するにあたり、何から始めるべきか?
③「LPの作成とリスティング広告の運用」が即効性とターゲッティングの観点で優れている理由
④LPの作成とリスティング広告の運用にかかる、具体的な工数と、予算の投下イメージ
②では、製造業がデジタルマーケティングで新規顧客を獲得するにあたり、何から始めるべきか?
⑴即効性の観点の重要性
コロナの影響で展示会がなくなり困っているのは、みなさまだけではありません。
これまで展示会で情報収集をするはずだったみなさまの顧客も、同じように困っています。
逆に言うと、今こそ、web上での情報収集のニーズが、特に高まっている時期だとも言えます。
そして御社の競合も、そういう顧客に情報を届けるために、web上でのサービス紹介の体制を次々に整えていきます。
その競合に出遅れないためには、いち早くweb上でのサービス展開が重要になります。
よって即効性の観点が重要になるのです。
⑵ターゲッティングのしやすさの観点の重要性
ターゲッティングのしやすさとは、端的にいうと「狙った顧客に限定してアプローチをすることができる」ということです。
コロナの影響で、顧客のニーズは多様化しており、既存の手法ではターゲッティングも難しくなってきています。
よって、改めて顧客のニーズをとらえなおし、それに応じて柔軟に顧客にアプローチすることが重要になります。
だからこそ、ターゲッティングがしやすいデジタルマーケティングが重要になってくるのです。
では、この「⑴即効性」と「⑵ターゲッティングのしやすさ」の観点から、前編でお伝えした5つの手段を整理してみます。
以下の表をご覧ください。
以上の表によると、「③自社HPのSEO対策をする」と「④メディアを立ち上げる」の即効性が×となっています。
この理由は、前編でお伝えしたように、HPやメディアのSEO対策をして顧客に認知されるまでには、最短でも3ヶ月~半年かかってしまう(※)ためです。
※出典
SEO対策の効果が出るまでの期間ってどのくらい? | 東京の …
以上を踏まえると、まず最初に着手するべきは、
- LPの作成とリスティング広告の運用
- ウェビナーの開催
以上の2つだと言えます。
しかし、「②ウェビナーの開催」をするにしても、その開催を告知するにはLPの作成とリスティング広告が必要です。よって、仮にウェビナーを開催するにしても、まずは早急にリスティング広告の仕組みを整えることが重要になるのです。
では、「なぜ即効性とターゲッティングが優れているのか、次のパートで簡単に説明します。
③「LPの作成とリスティング広告の運用」が即効性とターゲッティングの観点で優れている理由
まず結論を述べます。
「LPの作成とリスティング広告の運用」が即効性とターゲッティングの観点で優れている理由は、
「リスティング広告はキーワード単位で広告を出稿することができ、また広告は検索上位にすぐ表示されるから」です。
以下のパートでもう少し具体的にお伝えしていきます。
まず、ターゲッティングの観点から説明していきます。
⑴「LPの作成とリスティング広告の運用」がターゲッティングの観点で優れている理由
そもそも、「LPの作成とリスティング広告運用」の流れは、簡単に言うと以下3つです。
(ⅰ)LP作成:サービスを紹介するwebページ(LP)を作成する
(ⅱ)キーワード決定:そのサービスを求めて顧客が検索しうるキーワードを決定する
(ⅲ)広告出稿:そのキーワードを検索したユーザにLPが表示されるよう、広告出稿をする
そして、リスティング広告においては、このキーワードがとても重要であり、顧客のニーズを表しているものになります。
例えば、「オンライン展示会 開催」と検索するユーザは、以下のニーズをもっていると想像できます。
- オンライン展示会の開催方法を知りたい
- オンライン展示会の開催事例を知りたい
- オンライン展示会にどれだけ時間がかかるか知りたい
つまり、キーワードから大まかな顧客のニーズを把握することができるのです。
よって、「(ⅱ)キーワードを決定する」ことによって、ニーズをもつ顧客にねらいを定めた上で、自社サービスを告知することができるのです。
これが「ターゲッティングの観点で優れている」ということです。
次に、即効性の観点についてご説明します。
⑵「LPの作成とリスティング広告の運用」が即効性の観点で優れている理由
この理由は単純で、上記で示した「(ⅲ)広告出稿をする」ことで、すぐに検索上位に表示されるから、です。
では、なぜすぐに検索上位に表示されるのでしょうか?
その理由は、リスティング広告とは、「広告費をGoogleやYahoo!などの検索プラットフォームに対して支払うことで、検索結果の上位表示の枠を購入する仕組み」のことだからです。
もう一歩深く理解するために、先ほどお伝えした、SEOと比較して考えていただきたいです。
先ほど、SEOの場合、検索結果の上位に表示されるまでに、最低で3ヶ月~半年かかるとお伝えしました。
そしてその理由は、GoogleやYahoo!の検索エンジン(※)がサイトを評価するのに時間がかかるからです。
※検索エンジンとは、サイトを評価するアルゴリズムのこと
それに対してリスティング広告は、広告費という対価を支払うことで、検索エンジンの評価を待たずして、上位表示を実現できる仕組みなのです。
つまり、即効性の観点から、SEOと比較して優れていると言えるのです。
以上のように、ターゲッティングと即効性の2点で優れているという理由で、「LPの作成とリスティング広告の運用」を行うことがおすすめです
では、実際に行うとして、工数と予算はどれくらいかかるでしょうか?
次のパートで具体的に説明していきます。
④LPの作成とリスティング広告運用にかかる工数と、予算はどれくらい?
まず、先ほどのパートでお伝えした流れを、もう一度確認してみます。LP作成から広告運用までの工数は、以下3ステップでした。
(ⅰ)LP作成:サービスを紹介するwebページ(LP)を作成する
(ⅱ)キーワード決定:そのサービスを求めて顧客が検索しうるキーワードを決定する
(ⅲ)広告出稿:キーワードを検索した顧客にLPが表示されるよう、広告出稿をする
結論をお伝えすると、この3つは制作会社やデジタルマーケティングを支援している会社に依頼するのが一般的といえます。
その理由を含めて、具体的にかかる工数と予算を、以下のパートでそれぞれ具体的にご説明していきます。
「(ⅱ)キーワードの決定」と「(ⅲ)広告出稿」については同時に取り組むことが多いので、まとめてご説明いたします。
「(ⅰ)LP作成」にかかる工数と予算のイメージ
まず(ⅰ)の「LP作成」を仮に制作会社に依頼する時の相場は、20~30万円(※)くらいと言われています。
もちろん依頼する会社によっては、もっと高くなる可能性もあります。
(※)出典:バラしちゃいます!ホームページ制作料金の相場はいくら
最近では、サイトを自動で作成できるツールも多くあり、特に⑴については自社でもできるのではないかと思われるかもしれません。
しかし、実際にはweb制作会社にお願いするのがおすすめです。
その理由を以下でお伝えします。
例えば、LPを作成する上では、「アクセスや問い合わせを計測する仕組みを整える」ことが重要です。
そもそも、前編にて、デジタルマーケティングの魅力は、施策の軌道修正のしやすさにある、とお伝えしました。
このことはLPにも当てはまります。
そして、施策の軌道修正をしていくためには、LPへのアクセスやお問い合わせを計測する仕組みを整えることが重要です。
アクセスやお問い合わせを計測することで、どんな顧客がどんな頻度でLPに訪れているのかがわかります。
それを踏まえて、もっと広い顧客層にサービスを伝えよう、とかもっと頻度多くLPにきてもらおう、と施策の軌道修正をしていくイメージです。
そして、「アクセスや問い合わせを計測する仕組みを整える」にはタグと呼ばれるプログラミングコードが必要ですが、その設置の作業はかなり複雑です。
経験と知識がないとなかなか難しく、制作会社のwebエンジニアにやってもらうべきだと言えます。
また下手に設定してしまうと、サイトに不具合が起こる可能性も出てきます。
よって、専門のエンジニアに依頼するのが賢明と言えるでしょう。
「(ⅱ)キーワードを決定」と「(ⅲ)広告出稿」にかかる工数と予算のイメージについて
「(ⅰ)LP作成」と同様に、「(ⅱ)キーワードを決定」と「(ⅲ)広告出稿」についても、他社に依頼するのがおすすめです。
この2つをまとめて「広告運用」と呼ぶことが多いですが、この広告運用を正しく行うためには、かなりの経験が必要です。
「正しく広告運用を行う」とは「広告費を最小限に抑えた上で、顧客の獲得目標数を達成し続ける」ということです。そしてそのためには、例えば以下の点に注意する必要があります。
・リスティング広告のアカウント設定と管理
・アカウントや広告グループなどのセグメントの決定
・広告文の作成と調整
・広告出稿するキーワードの選定
・キーワード単価の設定
・Googleアナリティクスなどの計測ツールとの連携やその管理
以上に示したのは、全体の一部にすぎません。
これだけのことを、少しずつ調整しながら、毎日安定して顧客を獲得できるように仕組みを整えていかなくてはなりません。
それには相当のスキルと経験を要するので、他社に任せる方が賢明と言えます。
また他社に依頼する際の相場については、広告費の約20%と言われています。
つまり、仮に1ヶ月で100万円の広告費を使って顧客を獲得したい、という場合、20万円が数料として必要になる(※)、ということです。
(※)出典:リスティング広告の運用代行手数料の相場と料金体系、代理店 …
また、LP作成とリスティング広告運用の成果の出し方について詳しく知りたい方は、以下の記事が参考になります。
成果が出るLP作成と広告運用のノウハウ【全体像とキーワード編】
成果が出るLP作成と広告運用のノウハウ【LPと広告文、広告運用編】
以上、LPの作成とリスティング広告の運用にかかる工数とに予算ついてお伝えしてきました。
ぜひ、デジタルマーケティングの導入を検討する判断材料としてお使いください。
まとめ
いかがだったでしょうか?
ここまで、前編と後編を含めて、
- 製造業が取り組むべきデジタルマーケティングは何か
- 製造業の企業もデジタルマーケティングに取り組む必要性
- 何から始めるべきなのか
以上3点についてお伝えしてきました。
デジタルマーケティングを実施していく上で大切なことは、小規模でもかまわないので、まず最初の一歩を踏み出すことです。
前編の「①そもそも、デジタルマーケティングとは何か?」でお伝えしたように、デジタルマーケティングの良さは、施策の軌道修正を柔軟に行えることにあります。
何より、皆さんの顧客がweb上での情報収集を進めており、皆さんのサービスを求めています。
まさに今、デジタルマーケティングに取り組み、顧客のニーズに柔軟に対応することが求められていると言えます。
コロナ時代のビジネスに対応するため、ぜひデジタルマーケティングを。検討してみてはいかがでしょうか。
またこの記事ではLP作成とリスティング広告運用の話をメインでお伝えしてきましたが、それに限らずオンラインでの新規顧客の獲得を模索しているという方は以下の記事もご覧ください。
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アフターコロナ下のBTOBマーケティングの実践論
コロナ時代、BtoBの営業マーケティングのあるべき姿は?<商談・LP編>
コロナ時代、BtoBの営業マーケティングのあるべき姿は?<ウェビナー・MA編>
また、デジタルマーケティングだけでなく、オフラインのマーケティングについても詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
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BTOB製造業×マーケティングの基礎 ~2ヵ月で新規顧客を獲得する実践論
この度、オンラインで新規顧客を獲得するための方法を、チェックリストにまとめました。
ぜひ、ご活用ください。