web会議の功罪
コロナによってコンサルティング・調査案件の打ち合わせはweb会議が9割以上になりました。
新規のお客様の場合もwebから問い合わせをいただき、ご契約前の打ち合わせをweb会議、ご契約後もweb会議で完結するなど最初の商談から納品まで一度もお会いせずに完結することが多いです。
私がコンサルティング会社に入社したときはweb会議はしたことが無く全て対面でしたので最初は不思議な感覚でしたが、徐々に慣れてきました。
弊社としては移動に費やしていた時間を調査や考察の時間に充てられるので、かなりの効率化になったと感じていました。事実、1週間に数社とのお打ち合わせがあると担当は1~2営業日ほど打ち合わせに拘束されます。
調査員の中にはお客様と会うコンサルタントと、コンサルタントから指示を受けリサーチに専念するものが分かれています。お客様に合わせられるコンサルタントは少ないので、重要な役割を持つ人材の工数の多くがそこに割かれています。
今までコンサルタントが移動に費やしていた時間がお客様に還元できますので、お互いにとっていいと思っていました。
しかし、最近はwebで完結してきたことに問題を感じています。
自分も慣れてしまって気づいてませんでしたが、会話したときのお客様の表情が読めていないこと、心の底から会話ができていないのではないかと感じています。
対面の打ち合わせは良くも悪くも緊張感があります。
調査をしてきた資料を目の前でご説明することは、料理をその場で出して味を見てもらうのと同じように緊張をします。
これはコンサルタントを何年やっても完全に慣れることはありません。むしろ慣れてしまったらよくないと思います。
web会議だと良くも悪くも会議に起伏が無く、淡々と進んでいきます。
もちろん滞りなくプロジェクトが進むことは良いことですが、実はもっと話したかったことがあったんじゃないかと思うことがあります。しかしその表情は読み取れません。
最近は成長段階の小学生がマスクが当たり前になったことにより、表情から感情を読み取る能力が落ちているそうです。
人間は言葉ではなく非言語コミュニケーションの情報量が9割ですので、言葉の扱いが発達していない子供が1割で会話をしようとしても不都合が出るのは当然です。
我々大人は子供よりかは語彙力や説明能力はありますが、非言語コミュニケーションの重要性が落ちるわけではありません。
この当たり前のことに気づかず、効率的になってお客様にとってもいいサービスが提供できる時代になったと勘違いしていました。
前置きが長くなりましたが、このような課題感を持っているので今後のお客様との打ち合わせはできるだけ対面に戻させていただきます。
もちろん、全てを対面にする必要はないと思います。対面で毎週会議するのはやり過ぎです。
クイックにできるような報告内容はweb会議にする方が良いです。
ただ基本は対面で行い、できるだけお互いの理解を深めるように努めたいと考えています。
web会議やネットで完結する物事が多い今の時代、むしろ対面で相手の温度感を感じながら合意形成をすることに価値があるのではないでしょうか。
お客様によってはプロジェクトメンバーが複数いらっしゃって別の場所で働かれている、自宅でリモートとなると対面は難しいので合わせさせていただきます。
その場合も要所要所ではお手数ですが、一つの場所に集まって膝を突き合わせて意見交換をするということをさせていただきたい。
一見非効率なように見えてそれが一番効率的なのではないかと私は感じています。
担当コンサルタント
保木 佑介
RPAホールディングス(現オープングループ【6572】)にて、大手製造業が保有するR&D技術の出口探索を中心に100以上の新規事業プロジェクトに従事。2018年3月、RPAホールディングスのマザーズ上場を機として、同5月にステラアソシエを創業。2020年、No.1を証明する「ファーストテックサーチ」をリリースし、テレビCM等の根拠データとして利用される。その後、No.1調査の有識者としてNHK「クローズアップ現代」などに出演。
経験豊富なコンサルタントが戦略立案から施策実行まで伴走します
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