世界初調査事例 住宅業界もコト売りに進化 積水ハウスの新たな挑戦
住宅業界のトップランナーである積水ハウス。
グローバルビジョン“「わが家」を世界一幸せな場所にする“を掲げ、「人生100年時代」 の幸せをアシストする「プラットフォームハウス構想」を推進している積水ハウス。
今回は世界初、在宅時の行動や家の状態から防犯に関する行動習慣を可視化し価格に反映する「PLATFORM HOUSE touch(プラットフォームハウス タッチ)」の駆けつけ防犯サービス「駆けつけホームセキュリティ」を開発。
暮らしのデータをAIを活用して可視化された、住まい手の防犯に関する行動習慣に準じて価格が変動する画期的なサービスである。
同社の事業戦略や防犯サービスの考え方を事業を推進しているプラットフォームハウス推進部のサービス推進室長、藤岡様に伺った。

【写真左から】
積水ハウス株式会社 プラットフォームハウス推進部 サービス推進室長 藤岡 一郎
ステラアソシエ株式会社 代表 保木 佑介
住宅会社も「モノ売り」から「コト売り」へ
― まずサービス推進室について教えて下さい。
藤岡 先に会社の歴史からご説明します。積水ハウスは1960年に創業しました。これが第1フェーズであり、地震大国日本において地震や火災などの災害に強い丈夫で安心安全な高性能住宅(ハード)を提供してまいりました。
第2フェーズは1990年頃からで丈夫なだけではなく、住まい心地に配慮した快適性(ソフト)の提供に取り組みました。
そして2020年からが現在の第3フェーズに当たります。
超高齢社会を背景に人生100年時代を幸せに生きるという事を考えており、これまでのハードとソフトの提供に加えサービスという無形の資産を提供する活動を開始しています。
この人生100年時代の幸せを実現するために、住宅に広がるIoT機器やAIを利用し住まい手毎にサービスを提供する仕組みをPLATFORM HOUSE touchで実現しています。
PLATFORM HOUSE touchではデジタル技術を活用し、お客様からデータをお預かりし、それを提供いただいたお客様それぞれにAIを活用した価値として還元するサービスを推進しています。
プラットフォームハウス推進部は積水ハウスの新規事業部門としてプラットフォーム構想の実現のためにサービスの企画、開発、運用、販促・マーケティング、お客様からの問い合わせ対応などのサービスを提供しています。
2021年夏にこのPLATFORM HOUSE touchのサービスを開始し、熱中症の場所を発見・お知らせしたり、窓や玄関の不正開放を検知するといった機能を提供しています。

― 今回の駆けつけホームセキュリティはどういった着想から企画がされたのでしょうか。
藤岡 防犯のハード面の対策はどの住宅会社も取り組んでいますが、プラットフォームハウスでは住まい手の暮らしデータから防犯行動という生活習慣に着目し新たな切り口で顧客価値を提案できる仕組みを今回構築しました。
具体的には2023年9月より、博報堂様と協力して「生活モーメント」(生活ログから見える住まい手の特徴的な生活意識が現れる瞬間)から「生活習慣」を推計し、そこからさらに「行動の源泉」をAIで解析することで家ごとのニーズを可視化しています。
これらの情報と住まい方のアンケートや日記調査結果を照らし合わせすると興味深いことが分かってきました。
「自分はしっかり防犯している」と思っているが実は玄関ドアの電気錠を施錠していない時間が多いというギャップがわかるようになりました。住まい方には意識と行動の差異があるということです。

これを生活者の方に可視化して伝えることができれば防犯意識が高められると考えています。
「駆けつけホームセキュリティ」は暮らしのデータを解析し防犯行動を可視化することで防犯意識を高めることを目指しています。その行動のきっかけとして毎月の利用料金に差をつけることで、顧客の防犯モチベーションを高めることを狙っています。
防犯意識が高い方は毎月の防犯費用を割引する仕組みです。

自動車保険は無事故で安全運転をされている方は年々保険料が安くなりますよね。それと同じ考え方ができないかと。
保木 このサービスを聞いた時に斬新だと思いました。今までも様々な日本初や世界初を調査してきましたが、サービスの機能ではなく「マネタイズ方法で初」というのは経験が無かったからです。
藤岡 我々も家を建ててお金をいただくという商売をしてきたので、こういった収益モデル自体が新しい取り組みです。最初にお話した住まい手へ無形資産の提供を本気で取り組む意思の表れでもあります。
社内の調査部門では対応が難しかった
― 世界初を打ち出そうと考えた理由を教えてください。
藤岡 積水ハウスは住宅業界を引っ張る立場です。リーディングカンパニーとして常に新しいことにチャレンジし、世にない業界初のサービスを検討しています。。
― No.1広告を利用するにあたり、なぜ自社調べではなく第三者に調査を依頼しようとしたのでしょうか。
藤岡 住宅業界の事なら自社で調べられますが、今回はセキュリティ分野のサービスです。
No.1 表示は、合理的な根拠に基づかないケースで競争事業者のものよりも優良又は有利であると一般消費者に誤認されるケースは不当表示になる、と消費者庁からの注意喚起もあり信ぴょう性のある調査が必要と考えていまました。
社内で調査することもできますが、今回のような新しい取組みについては社外のプロの力が必要だと考えました。
また、自社調べよりも客観的な第三者が調査した方がエビデンスとしても有効になります。積水ハウスとして発信する情報には責任がありますので、信頼性を求めました。
― ステラアソシエを選ばれた決め手を教えてください。
藤岡 似た調査会社との比較を行いましたが、第一印象として世界初の事例が豊富だと感じました。様々な業界のトップクラスの企業の支援事例が多かったと思います。
問い合わせを行った後に打ち合わせで相談をしたのですが、その時点で具体的な調査方法を提案いただけました。その内容に納得感があり依頼に至りました。
保木 今回は「ホームセキュリティ」という広い括りの調査なので要件定義が重要でした。
ホームセキュリティには積水ハウスさんのような戸建てを手掛けるハウスメーカーだけではなく、マンションディベロッパーも調査対象になります。加えて、住宅向けにホームセキュリティを提供するセキュリティ会社も見ないといけません。
このようにプレーヤーを整理することが必要でした。
また、世界初なので海外も調査することになりますが日本と同様の調査ができない部分があります。
例えばハウスメーカーというビジネスモデルは日本特有のものであり、海外では一般的ではありません。
海外に置き換えると住宅を供給するプレーヤーはどういった業界になるか抑える必要があります。
この辺りを初回のお打ち合わせの段階で頭出しをさせていただきました。

藤岡 契約後に具体的な調査方法が初めて提示されるのではなく、契約前の相談段階で調査方法を提案してもらえたのが良かったです。
過去最高ともいえる大反響
― 販売開始後の反響はいかがでしょうか。
藤岡 メディアの反響は想像以上に大きかったです。キー局のニュース番組で何度も放送いただいて、サービス単体の露出は過去最高レベルではないかと感じてます。
お客様に関してはサービス開始前から申し込みが数十件あり、期待感が表れています。
狙ったわけでは無いのですが、昨今は闇バイトの事件も多く世間的に防犯需要が高まっているタイミングだったことが注目いただいた理由の一つだと思います。

― 最後に今後の展望についてお聞かせください。
藤岡 旅行や近隣での事件発生時など、必要な時だけ利用できる短期の警備サービスを提供することを考えています。例えば、海外旅行に行く1週間だけ、あるいは近所で強盗事件があった1ヶ月間だけ利用できるようなサービスです。
通年警備するほどお金はかけられないけど、ある期間だけは警備を強化したいというニーズが一定程度あると考えています。
保木 金融業界などでも行員による犯罪行為が起きているので、企業への不信感や不安は高まっていると思います。
藤岡 あとは自動警備機能も考えています。例えば家に誰もいなくなったり、部屋単位でも誰もいなければその部屋だけの自動警備を可能に出来ないかというものです。
こういった新しい警備サービス領域に対応していきます。
経験豊富なコンサルタントが戦略立案から施策実行まで伴走します

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