No.1調査 とは?
突然ですが、インターネットや電車内の広告などで「No.1」という文字を見たことはありますか?自社製品の強みを伝える「No.1」という表記。実は、打ち出すには「No.1」を証明するための根拠が必要なのです。
消費者庁によると、根拠なしに打ち出してしまった場合、不当景品類及び不当表示防止法の規定によって、最悪のケースでは罰則の対象になってしまいます。
そのため、一般的には調査会社に調査を依頼し、根拠を伴う証明を行います。このように「No.1」と打ち出すのに必要な根拠を調査することを「No.1調査」と言います。
しかし、数ある調査会社の中からどのように依頼先を選べば失敗しないのか、気になるところですよね?
今回は、No.1調査のメリット・デメリットについて。
さらに、依頼する調査会社選びに失敗しないための注意点を3点ご紹介します!
景品表示法の関連ページ
消費者庁:https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/
No.1調査の特徴
No.1調査を行う際には「調査内容の網羅性」「製品技術の定義や範囲の正確性」「調査方法の恣意性」を考慮して行う必要があります。景品表示法違反となってしまう原因の多くは、これらの3つのどれかに当たるのです。
例えば、調査した内容に網羅性がない場合、調査結果に正確性が失われてしまいます。また、調査対象の製品や技術に関しての知識が曖昧だと、最適でない調査を行ってしまう可能性もあります。
さらに、アンケート調査などでありがちなのが、恣意性の問題です。特定の答えを誘導するようなアンケートではないか、注意が必要です。
研究開発の戦略コンサルタントを行っている、ステラアソシエの世界初/No.1調査サービスでは、1000社以上の支援経験を元に、製品や技術を正確に定義し、調査範囲を明確にすることに特徴があります。
また、無名のベンチャー企業を含めた数100以上の製品を調査しているので、網羅的に調査が可能です。
No.1調査のメリット
No.1調査のメリットは、以下の2つになります。
①売り上げやブランド向上を目指せる ②マーケティング施策の強化・改善に役立てる
売り上げやブランド向上を目指せる
信頼できる根拠を元にした「No.1」の広告打ち出しは、顧客に対して自社製品の強みを効果的に伝えるのに役立ちます。さらに、他社との差別化をはかることができるため、ブランドの向上も目指せます。
例えば「最軽量(軽さNo.1)」を謳う広告は、重量を気にする顧客層にとっては購入の決定に大きく影響するでしょう。
マーケティング施策の強化・改善に役立てる
仮にNo.1が証明されなかったとしても、調査することにはメリットがあります。それは、調査結果をマーケティングに強化・改善に役立てることができることです。
No.1調査にはさまざまな調査方法があります。例えば、消費者へのアンケートを行えば、製品に対しての感想や、求めるものなど様々なことが分析可能です。
No.1調査は、その先のマーケティング活動や商品開発にも役立てることが出来るのです。
No.1調査のデメリット
No.1調査のメリットは、以下のふたつになります。
①専門知識を持つ人員の確保もしくは、調査機関への依頼が必要
②費用がかかる
専門知識を持つ人員の確保もしくは、調査機関への依頼が必要
単にNo.1調査といっても、調査には専門的な知識が必要になります。製品の特徴などから、調査の条件を決め、調査方法を決める。実査の際も、恣意的にならないため、また網羅的に調査するために細心の注意が必要です。
すなわち、製品の特徴や技術の知識だけでなく、調査方法の専門知識ももった人員を確保しなければいけません。
そのため多くの場合は、調査会社に依頼することになるのですが、実は依頼の際も、その調査会社が本当に信頼出来る調査を行ってくれるのかを吟味する必要があります。
費用がかかる
当然ながら、専門知識をもった人材の確保から調査の実査まで、費用がかかります。また、調査会社に依頼する際も、金額は調査の方法や内容によって大きく異なりますが、費用がどうしてもかかってしまいます。
No.1調査の依頼を失敗しないための3つの注意点
No.1調査を調査会社に依頼する際に重要なことは「その調査会社が、信憑性が高い調査を行ってくれるのか」をしっかりと吟味することです。信憑性が低い調査は、商品のイメージを下げることに繋がりかねません。
では、どのくらい信憑性が大切なのでしょうか?No.1表記に関する2つの調査から信憑性の大切さを見てみましょう。
No.1表記に対するイメージの調査を見ると、表記に対して「好印象を持つことが多い」と答えた人は16.8%、「好感を持つこともあれば、不快感を持つこともある」は54.1%、「不快感を持つことが多い」は13.6%、「特に何も感じない」は15.5%であることが分かります。
次に、No.1表記に対して持った「悪印象」の調査を見ると、悪印象の第1位は「信ぴょう性に欠ける」で42.6%、第2位は「うさんくさい」で40%、第3位は「売り込まれているように感じる」で37.5%、第4位は「押し付けがましい」で31.5%、第5位が「企業の自己満足」で24.3%であることもわかります。
注目してほしいのは、No.1表記に「好感を持つこともあれば、不快感を持つことがある」または「不快感を持つことが多い」と答えた人は全体の67.7%に登り、さらに持たれてしまう悪印象の第1位と第2位が「信ぴょう性に欠ける」と「うさんくさい」で、どちらも信憑性に関係しているということです。
このように、No.1表記をする際には、信憑性に注意を払う必要があります。すなわち、No.1調査を調査会社へ依頼する際も、どの調査会社であれば信憑性が高い調査をしてくれるのかを吟味し、選定する必要があるのです。
では、どのような観点で調査会社を選定すれば良いのでしょうか?
その注意点を以下の3点にまとめました。
①その調査会社の知識と実績は十分か
②網羅的な調査を行っているのか
③調査完了までの期間はどのくらいか
それぞれを詳しく見ていきましょう。
(参考サイト:市場調査メディアHONOTE https://honote.macromill.com/report/20190221/)
その調査会社の知識と実績は十分か
No.1調査には、専門的な知識が必要になります。調査の効果的な方法や期間、調査範囲など、調査そのものに関しての知識はもちろんですが、調査する製品や技術に関しても、知識を持っている必要があります。
製品や技術の知識が不足していると、調査条件の仮定が正しくされない恐れがあるのです。仮定が適切でないと、その後の調査にも影響が出てしまうので注意が必要です。
ポイントは「調査機関が信頼に足る実績を持っているのか」をしっかりと確認しておくことです。調査会社が、今までどのような調査を行ってきたのかも確認しましょう。
調査会社自体の信憑性を確認しないことは、調査の失敗に繋がりかねませんので、気をつけてください。
網羅的な調査を行っているのか
景品表示法違反となってしまう原因は、大きく分けて「調査内容の網羅性」「製品技術の定義や範囲の正確性」「調査方法の恣意性」の3つがあります。
注意点の①で説明したことに気をつけて調査会社に依頼をすることで「製品技術の定義や範囲の正確性」「調査方法の恣意性」を2つの原因を排除することができます。
しかし、見落としやすいのが「調査内容の網羅性」です。
例えば、ある製品の競合製品を比較して調査する場合、有名企業の製品だけでなく、無名のベンチャー企業の製品も比較する必要があります。調査条件によっては、海外のものとの比較も必要です。
調査会社がどの程度の網羅性をもって調査しているのかを確認し、表記の信憑性を高めていきましょう。
調査完了までの期間はどのくらいか
調査完了までの期間も、確認しておく必要があります。特に、プレリリースが近い場合は要注意です。せっかくNo.1調査を実施しても、プレリリースに間に合わなければ意味がありません。
調査の期間は、その調査方法や範囲によって異なりますが、早いものでは1ヶ月未満で調査が完了するものもあります。もう間に合わないと考えているのであれば、まだ諦めるのは早いかもしれません。
例えば、ステラアソシエでは、最短1週間で調査の成果物を納品しています。プレスリリースまで余裕がない場合でも、ご相談が可能です。
注意点①と②を意識しつつ、期間も考慮して依頼をしましょう。
No.1調査依頼から完了までの流れ
No.1調査の流れは、以下の図のように大きく分けて4段階に分けられます。それぞれについて見ていきましょう。
ヒアリング・調査条件の仮説
No.1調査で最初に行われることは、ヒアリングによって調査条件の仮説を立てることです。ここで、重要なのが「製品の強み・アピールポイントの深ぼり」になります。
では、なぜ製品の強みを深ぼりする必要があるのでしょうか?それは「調査する競合製品の対象や、調査方法を正確に決定するため」なのです。
例えば、美容液の効能をNo.1と認定したいとします。その場合、製品のアピールポイントは「美容液の効果」になります。
ですが、どのような基準で「効果がある」と認定すれば良いのでしょうか?また、アンケート調査を実施する場合は、どのような客層にアプローチし、どのような製品と比較すれば良いのでしょうか?
比較対象である競合製品も、その価格帯や配合成分などの条件が必要になってくるかもしれません。
製品の強みやアピールポイントを深ぼりして調査条件を明確にすることは、調査の正確性、信憑性に大きく関わる大切な作業になります。
競合調査
ヒアリングと調査条件の仮説を元に、実際に競合製品やサービスの調査を行います。No.1と打ち出すには、比較することが必ず必要になるので、比較対象である競合製品の調査も自ずと必須になります。
この時、注意しなければいけないことがあります。
それは「網羅的に競合製品を調査できているか」という点です。網羅的ではない調査は、景品表示法違反の原因になります。
網羅的に調査をするには、調査会社との協力が必要になってくるでしょう。調査会社には、蓄積されたデータや経験が多数あるため、それらを活用することで網羅性や信憑性を高めることができます。
調査方法の決定・実査
調査方法の決定は、調査条件の仮説を元に行われます。調査方法が適正でない場合、調査結果の信憑性か高く保てないためこちらも注意が必要です。
調査の方法には、非対面式のものと対面式の2つに大きく分かれます。
非対面の調査には、製品の特徴を競合製品と比較する比較調査や、インターネット上でアンケートを行うネットサーチ、自宅で実際に使ってもらい、その後アンケートを行うホームユーステストなどがあります。
対面式の調査には、街頭でアンケートを実施する街頭調査、モニターをグループに分け製品について話し合ってもらうグループインタビューなどがあります。
どの調査にせよ、製品の深ぼりから得られた仮説を元に、正しいターゲットに対して最適な調査方法の実査が必要であり、そのためには経験と専門的な知識が必要になります。
例えば、ステラアソシエで比較調査を行う際は、強みである1000社以上のコンサルタント経験から、新技術や製品特徴を正確に捉え、適切な条件のもと、数100以上の競合製品と比較をしています。
また網羅的な調査のために、無名のベンチャーから大手企業、海外を問わず多くの競合を調査しています。
集計・レポート報告
調査の実査が終了すると、最後に行われるのが集計とレポートの作成です。実査の結果を集計、分析し見える化していきます。
調査会社は、結果の分析にも強みを持っています。仮にNo.1の立証ができなかったとしても、アンケートから集まる顧客の声や、競合製品の情報などから、次のマーケティング戦略や製品開発に役立てることができるでしょう。
No.1調査の事例を5つ紹介
No.1調査の事例を5つご紹介いたします。参考にしてください。
No.1調査の事例:電子機器メーカー
【依頼者の課題】製品の構造と素材に関して、独自性をアピールしたい。
【施策】製品技術を正確に把握し、調査条件の仮説。その後、世界シェアTOP10より、海外企業を中心に国内を合わせて網羅的に調査。
【結果】製品がその技術と素材に置いて、独自性があると判定することができた。他社製品との差別化に成功。
No.1調査の事例:コンピューターメーカー
【依頼者の課題】製品の重量と性能について、他社のものに比べて優位性があることを証明し、製品イメージを向上させたい。
【施策】重量と性能に関して、具体的な基準を仮説。その後、世界シェアTOP10より、海外企業を中心に国内を合わせて網羅的に調査。
【結果】製品の重量に対しての性能が、他社に比べて良いことの証明に成功。
No.1調査の事例:美容液メーカー
【依頼者の課題】他社製品よりも、その効能に関して高い期待が得られることと同時に、体にも優しい成分であることを証明したい。
【施策】効能に関して、また体に優しいとはどのような観点で言えるのか等の調査条件を仮説し、海外を含めた200以上の競合製品を比較、調査。
【結果】競合製品と比べ、製品の効能に対し高い期待が得られると同時に、人に優しい成分であること証明することに成功。
No.1調査の事例:モバイルメーカー
【依頼者の課題】製品の特徴としている2つの性能の同時実現が、他社では実現できていないことを証明し、優位性を確保したい。
【施策】国内外の500以上の競合製品を調査し判定。
【結果】特徴である2つの性能の同時に実現は、調査時点で他にはないことの証明に成功。
No.1調査の事:通信機器メーカー
【依頼者の課題】製品が保有する技術と、その形状の同時実現に置いて、他社と比べて優位性があることを証明しブランドの向上を目指したい。
【施策】製品技術と形状の特徴から、調査条件を仮説。国内外の500以上の競合製品を調査し判定。
【結果】製品技術を、特定の形状のもとで実現している製品は、調査時点で他社にはないことの証明に成功。
まとめ
No.1調査について、メリットとデメリットを見ていきました。しかし、見落としがちなのが調査会社に依頼する際にも注意が必要であるということです。
調査会社への依頼する際は
①その調査会社の知識と実績は十分か
②網羅的な調査を行っているのか
③調査完了までの期間はどのくらいか
の3点に注意が必要です。
景品表示法違反となってしまう主な原因である「調査内容の網羅性」「製品技術の定義や範囲の正確性」「調査方法の恣意性」に注意を払いながら、効果的なNo.1調査を成功させてください。
No.1調査についてお困りのことがありましたら当社、ステラアソシエ株式会社へご相談ください。
以下のボタンを押すと「デジタルマーケティングに関するお問い合わせ」というページに移動しますので、そちらからお問い合わせください。
8.No.1調査依頼のよくある質問
No.1調査に関しての、よくある質問を取り上げます。
Q1.訴訟リスクは減らせるか?
A.訴訟リスクを減らすことは可能です。訴訟原因の多くは「No.1である根拠を提示していないこと」「根拠となる調査が信憑性に欠けること」にあります。信憑性の高い調査を行うことで、根拠の提示が可能になり、訴訟リスクを減らすことができます。特にステラアソシエでは、サービスの機能面を基準に客観的な調査を行っておりますので、信憑性の高い調査が可能です。
Q2.「世界初」ということが確実には言えないとなった場合、費用はどうなるのか?
A.調査の結果、世界初が謡えない場合もお見積り金額をご請求させていただきます。
理由として、本サービスは世界初ではないものを世界初に無理やり仕立てるサービスではなく、本来世界初であるものを調査によって証明するサービスだからです。世界初のサービスを作ることは、弊社側でコントロールできることではないと考えています。
しかし、過去に証明できなかった事例は1件もありません。調査をする時点で世界初が謡えるようにしっかりと調査設計をしますので、ご安心ください。
Q3.No.1表記に対し、調査の不備による指摘が入った場合の対応方法はどんなものか?
A.競合他社や消費者から反論があった場合、下記2点対応させていただいています。
①競合他社:文言を修正するかどうかも含めて、貴社と協議し対応をさせていただきます。
②消費者 :ウェブや電話での問い合わせが来ますので、弊社にてQ&Aを作成して貴社に共有します。コールセンターや広報に活用いただけます。